【2020年最新】突然解雇されたら・・確認すべきことと対処法

記事更新日: 2020/07/30

ライター: みやりーん

コロナ倒産、コロナ解雇・・・
最近、コロナの影響などで、突然解雇されるケースが増えてきています。

自分に非がなく、会社の都合で解雇された場合、労働基準法に照らし合わせて、どこまで合法で不当なのか、とれる対処方法と、やるべきことなどを今回紹介します。

※労働者の権利ですので、正社員だけでなく、派遣、パート、アルバイト、副業まで、「雇用契約が発生しているすべての方に適用」されます。

参考にして頂けると幸いです。

この記事でわかること
  • 解雇の種類
  • 突然解雇された時、どうすればよいのか(確認すべきことと請求できること)
  • 解雇っぽいけど、解雇じゃない場合にできること
  • 解雇予告(30日前ルール)と予告手当とは
  • 不当解雇の場合の対処法
この記事を書いた人
みやりーん

はじめまして! 現在、中途・派遣それぞれの転職領域にて就業中。採用や求人サイトの仕組みの裏側など、ちらっとお話ししちゃいます。他に、仕事にまつわるあれこれも徹底調査!

 

解雇って会社にとってにかなり不利なもの

解雇を言い渡されたとき、どう思いますか?
「自分に原因はないけど、会社売り上げ下がったし、確かに解雇されても仕方ないよな」ってあきらめていませんか?

会社が解雇を行う場合、厳格な条件があるため、労働者の権利は法律で守られているんです。
解雇を言い渡されたとき、「正式に解雇になるのか」「正式じゃない場合、労働者にはどんな権利があるのか」なども含め説明していきます。

 

解雇の種類

解雇には大きく分けて3種類あります

 

■普通解雇

労働者の能力不足や適性、勤務態度などにより解雇されるもの

<理由:例>

・成績を上げていない

・2~3回遅刻した

・協調性がない

 

■整理解雇

会社の事業規模の縮小や倒産など、経営上必要であると判断されたときに行われる解雇

<理由:例>

・倒産した

・売り上げが落ちた

・部署閉鎖で移動ができない

 

■懲戒解雇

犯罪や、会社のルールに違反した時、懲戒処分として解雇されるもの

<理由:例>

・社長や上司に逆らった

・機密情報を漏らした

・犯罪を犯した

 

 

「解雇」の条件(企業側)

3種類の解雇は、厳格な基準があると説明しました。
「明確な理由があること」はもちろんですが、「客観性があること・社会的妥当性があること」の2つの条件が揃わないと正式な解雇になりません。また会社側も努力したことを証明する必要もあります。

 

以下の「会社側の努力をした上での解雇であること」が正式に解雇できる条件にもなります。

■普通解雇
【元となるルール:解雇権濫用法理】

<例>
(企業側)客観的に軽微な理由ではないこと

・(企業側)事前の指導を行っていた(その上で、おきた労働者の非(程度による)であった)

・(企業側)十分な説明を行っていた

 

■整理解雇
【元となるルール:整理解雇法理】

<例>
(企業側)会社が解雇を避ける努力を行った上での解雇措置である ※1

(企業側)単に赤字だからという理由ではない(※1とセットで見る)

(企業側)解雇選出者の選び方に、正当性と妥当性がある

 

■懲戒解雇
【元となるルール:懲戒解雇法理】

<例>
・解雇者は明らかに犯罪やルールを犯したものである

みやりーん

あとで不当な場合等に主張するためにも、「解雇理由」は必ず確認しておくことが大事です!

 

その解雇は正式なもの?

正式な解雇通知とは、労働者側の非や、会社の状況や条件が揃ったうえで、書面で発行されるものを言います。

口頭で言っただけでは、正式ではありません。解雇を言い渡されたときは、慎重に判断してください。

 

正式な解雇とは

・労働者側に非がある(普通解雇・懲戒解雇)

・会社側の問題(整理解雇)

・解雇する理由が「客観的・社会的妥当性がある」

・会社側は解雇を避けるための努力を行った

・正式に書面で通知がある(解雇通知・解雇理由書)

 ∟(中々出さない場合は)解雇通知書、解雇理由書は、労働基準法22条に基づき、労働者側から請求可能

 

「解雇」を言われた時、注意すること

■「退職届」は出してはいけない

解雇と言われたあとに、「わかりました」など明確に言ってしまったり、「退職届」を提出してしまうと「解雇」にならない場合があります。注意してください!

 

 

解雇に見えるが、解雇じゃない場合

 

【1】解雇の話が上がったとき、自分から「やめてやる」と明言したり、辞めてくれと言われて「はい」等、肯定の意志を提示した場合
   →自分の意志による自己都合退職扱いになる可能性あり

 

【2】解雇というはっきりした言葉で言われなかった場合

 

【3】「明日から来なくていい」と言われ、会社に行かなくなった場合
   →正式な書面を貰うまでいくのがベスト。

 

【4】整理解雇を行う中で、派遣などの有期雇用の方で、その時の有効期間が終了するタイミングで継続しなかった場合(雇用止め)
  →解雇になる場合もありますので、弁護士に相談!
  →1日でも期間の途中で雇用を切られた場合には、雇止めではなく「解雇」です。

  ※有期雇用契約者の「解雇」は、正社員の解雇よりも厳しく守られおり、労働契約法17条の「やむをえない理由」が必要です。

 

【5】「採用内々定、採用内定、本採用拒否」の場合
  →内定貰っていても、実際に就業しているわけではないので「解雇」にはあたりません。

  ※解雇ではありませんが、「内定取り消し」にあたりますので、まずは、弁護士に相談するのも一つの方法です。

 

 

解雇が間違っていた場合、労働者にできること(権利)

正式な解雇じゃなく、うやむやにされたまま流されたりするケースもよくあるようです。

その場合、労働者としてできる権利があります。

■正式な解雇ではない場合、解雇が無効になります(労働契約法16条)

■なので、会社に戻ることも可能です ※2

■解雇されてから、労働審判・労働訴訟を行った場合、勝つまでの間、働いていなくても賃金を請求できる可能性があります ※3

■転職していても、※2と※3を請求できます。
※ただし、転職して賃金を得ている場合には、解雇した会社からもらえる賃金が、減らされる場合があります(最低6割保障)

 

解雇の時は手当が出る場合ある

正式解雇でも、うやむや解雇でも、以下の2つのルールに基づき、手当が出なかった場合は、請求する権利があります。

告知30日前ルール

会社は、労働者を解雇する場合、30日以上前には告知しないといけないというものです。

もし、30日より短い期間で告知された場合は、30日分以上の平均賃金を支払う義務があります(労働基準法20条)

注意点としては
 

ブラックな企業で「告知なし」「手当もなし」で進める場合もありますが、だからといって「(正式発効されている場合の)解雇」が無効になるわけではありません。

 

「解雇予告手当」が不要な場合

以下の短期労働者へは予告と手当ては不要です

  • 4か月以内の季節的事業に関する雇用契約者
  • 2か月以内の労働者
  • 1か月以内の日雇い労働者
  • 14日以内の試用期間中の労働者

 

さらに、例外的に、以下の理由でかつ「労働基準監督署長の許可」を得た時のみ、予告や手当が不要です

  • 天災などやむを得ない事情が理由の場合
  • 懲戒解雇の場合

 

 

解雇されたときに必ず確認すること

書面で確認すること

上記のように正式な解雇手順を踏んでいるかあやしいものもあります。なので、必ず書面を交付してもらい「解雇理由」を確認して不当解雇かどうかを判断してください。

解雇理由が書かれている書面は、「解雇通知書」や「解雇理由証明書」があります。

この2つは、遅ければ労働者側から請求ができるもので、特に「解雇理由証明書」は請求がされたら、会社は速やかに発行するものであると、労働基準法で定められています。

みやりーん

ブラックな企業で「告知なし」「手当もなし」で進める場合もありますが、だからといって「(正式発効されている場合の)解雇」が無効になるわけではありません。

 

内容を確認する

・「解雇理由」から不当解雇かどうかの判断(客観的にみておかしい場合は不当解雇)

・「予告」が30日前ルールに従っているかどうか(手当をもらっているか、どうかの判断)

の2点をよく見てください。

 

不当解雇の場合、労働者ができること

「不当解雇」とは、
「正式な手続きで行われた正式解雇」の場合、その内容に納得がいかない等、労働者が「客観的にみて不当だ」と感じた時にできるものです。

この時の判断は「解雇理由」で判断します。あくまで「客観的にみて」なので、自分の個人の感情だけで納得いかないものは不当解雇にあたりません。

以下の権利を行使することはできますが、無効になる可能性(企業側が正しい)もあります。

例えば・・

同じくらいの成績を下げた人等(同じような状況の人)が他にもいたが、自分だけが解雇された等

その時の仮にAさんの解雇理由が「成績が落ちたから」だけの場合、客観的にこれだけをみれば、他の4人の誰でもよかった可能性があります。

なので、なぜその中でAさんだったのかの理由が必要で、もし書かれていなかった場合に、Aさんが不服と感じたら不当解雇として訴えることができます。 

 

会社に解雇の無効を求めることができる

会社に戻ることを希望することもできます

 

未払い賃金の請求

解雇が無効なら、賃金の支払いは継続しています。例えばその間、働いてなくても請求できます。

もしも転職して給与をもらっていたとしても請求ができますが、今貰っている給与との差分などを考慮し全額はもらえません。

また、不当解雇でも、もうすでに戻る気がない場合は、未払いのみの請求も可能です。

 

裁判を行う

要求に応じない場合は、不当解雇の撤回など、裁判として訴訟を起こすことができます。

裁判の場合は、独自で行うのは危険です。まずは、弁護士に相談しましょう(無料相談などもやっているところがあります)

 

まとめ

まとめます。
最初に記載しましたが、労働者の権利ですので、正社員だけでなく、派遣、パート、アルバイトすべての方に共通するルールです。

解雇を言い渡されたときは・・・

確認すべきこと
  • 解雇理由など明確で妥当か
  • 書面で通知されているか
  • 30日前ルールにそった予告があったか
  • 解雇と口頭で言われて、辞表届など(自分から辞める意思を)出していないか
  • 内容を確認し、不当解雇かどうか判断する
できること
  • 解雇について書面がなかったら、(解雇通知・解雇理由書)を請求できる
  • 30日前ルールに違反していた場合、予告手当を請求できる
  • 不当解雇の場合、解雇の撤回や未払い賃金の請求ができる

 

突然解雇されたときは、びっくりすることでしょう。特にじぶんに非がない、整理解雇などは納得しがたいものがあります。

意図的か、偶然かは不明でも「正式な段取りで解雇」を言い渡されていないケースが多いのも事実。

確認すべきこと」
「請求できること」
「もらえるもの」
「撤回できるもの」
「やってはいけないこと」
等が参考になれば幸いです。

この記事を書いたライター

みやりーん

こんにちは。「みやりーん」と、申します!

転職・派遣の人材業界で、渉外・マーケティング・制作等、マルチに戦うWEBディレクター。アルバイト、派遣、契約社員、正社員をひととおり経験。7人材業界の裏側や仕組み、おすすめの派遣会社、働き方について発信しています。

 

特に、派遣については「常駐先側の気持ち」「派遣元のおもわく」「求職者の選び方のポイント」「サイトの仕組み」など詳しくご紹介!

 

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