「無期雇用派遣」は得?損?メリット・デメリットと判断ポイントを解説!

記事更新日: 2020/07/29

ライター: みやりーん

このページにたどり着いた方は、派遣として就業中の方や、派遣での働き方に興味がある方ではないでしょうか?

副業の1つとしても人気が出て来ている派遣。

派遣で3年経てば、必ず判断しなければならない「無期雇用派遣」「3年ルール」。実は、ルールの例外や判断する時のポイントがあるんですよ!

今回、実体験を元に詳しく紹介します。
よりよい選択をするために、少しでも参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
みやりーん

はじめまして! 現在、中途・派遣それぞれの転職領域にて就業中。採用や求人サイトの仕組みの裏側など、ちらっとお話ししちゃいます。仕事にまつわるあれこれも徹底調査!

この記事でわかること
  • 「登録型派遣」と「無期雇用派遣」の違い「派遣3年ルール」と「無期雇用派遣」
  • 「無期雇用派遣」のメリット・デメリット
  • 「派遣3年ルール」の例外
  • 「無期雇用派遣」に変更にメリットがあるかどうかの判断ポイント
  • 「派遣」を副業をしている場合はどちらがよい?

 

「登録型派遣」と「無期雇用派遣」の違い

まずは、基本用語の説明になります。

「登録型派遣」とは

いわゆる普通の派遣。一般的に派遣と聞いてイメージするのがこちらです。
派遣会社に登録し、働きたい希望の条件にあった、就業先に行って働くスタイル。数か月の契約を基本とし、毎回更新することによって継続します。
時給制。

 

「無期雇用派遣」とは

登録型派遣の3年後に選択できる働き方のひとつ。いくつか条件があり、大きな差は、雇用契約が、最初のみで、無期限延長となり、数か月毎の更新が不要になります。
月給制。

 

「派遣3年ルール」と「無期雇用派遣」について

派遣雇用は基本、期間の定めのある「有期雇用」ですが、3年ルールがあります!

2015年9月の労働法の改正で派遣社員は3年以上、同一の就業場所で、派遣での就業ができなくなりました。

その代わり「無期雇用派遣」を選択できるというものです。

※有期雇用の派遣雇用を、より支援するための法改正でしたが、メリット・デメリットがあります

 

そもそも3年ルールとは?

3年ルールに

は以下の2つに基づきます

 

【1】派遣労働者個人単位の期間制限に基づくもの

→1つ派遣会社に登録して3年以上は派遣雇用ができない。

 この場合、同じ就業先でも、途中で派遣会社が変わった場合は、変わった時点から3年ルールとなります。

 例>就業先A社に、派遣会社B社から3年、異なる派遣会社C社から3年はOK

 

【2】派遣先事業所単位の期間制限

→同じ就業先(部署)に3年以上は派遣を受け入れられない

 

ココ大事!!
以下の方は対象外!

以下の方は対象外 

  • 60歳以上である場合 
  • 派遣元に無期雇用されている場合
  • 終期が明確な有期プロジェクトに派遣される場合
  • 産休、育休、介護休業などを取得する人の代わりに派遣される場合 
  • 日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が、派遣先の通常の労働者の半分以下かつ10日以下)の場合

 

はかせ

3年ルールになってよかったことは「有期雇用」から「無期雇用」になる権利がゲットできるところ

逆にデメリットとしては、同じところで働きたくても、企業側で受け入れ態勢がなかった場合「契約終了」になる可能性もあるところじゃな

 

無期雇用派遣とは

3年ルールのもと、派遣社員は、3年たったら派遣会社と「無期雇用派遣」を選択できると、「権利」が発生するというものです。

あくまで「権利」を得ただけなので、方法によりますが、派遣として働き続けることもできます。

派遣会社と今まで有期雇用だったものが、「無期雇用派遣」と雇用契約の内容が変わります。

よって、同じ職場の場合、無期雇用派遣となっても、働く人と就業先(A社)との関係は今のままで継続することができます。

※就業先の受け入れ態勢がない場合は、派遣会社と「無期雇用派遣」を結べても、他へ行くこととなる

 

「無期雇用派遣」のメリット・デメリット

メリット

・今までの就業先で働き続けることができる

・派遣会社との無期雇用なので安定した雇用となる

月給制となる(GW等の長期休暇でも収入が変わらない)

就業先を変更する際(待期期間)の給料も支払われる(月給制なので)

 

デメリット

・派遣雇用であることに変わりはないので、就業先で責任ある仕事を任されることは少ない(昇給・出世などはない)

・ボーナスはナシの場合が多い ※派遣会社による

・残業が多い部署は派遣の方が年収が多い場合もある

・あくまで派遣なので「時給」UPがされにくい傾向がある(正社員とは待遇が異なる)

月給制になるので、週40時間の就労を求められる(場合が多い)※週3日勤務などはできない

 

一覧でまとめ

 

3年ルールには、例外があります

実は、裏技があってこのような場合は、3年とみなされません。

 

【1】同じ職場でも、途中で派遣会社が変わったとき

変更した日から新たに3年計算となります

 

【2】同じ派遣先でも部署など所属がかわったとき

営業部 経理部 などは明確にわかりやすいですが、正直会社によってわかりにくい部署名だったりするので実態はあいまいです

<例>

企画経営 マーケティング サービスデザインG1-1

企画経営 マーケティング サービスデザインG1-2

企画経営 マーケティング サービスデザインG2-1

G1からG2も実際が同じ内容(単に班が異なるだけ)の場合も大いにあります。

これでもG1→G2に変われば「いままでと同じ内容の仕事でも」「同一派遣先、同一部署」から変わったことになり、3年ルールにより変更したとみなされます。

※ポイントは、勤怠や給料を承認する(上長)の方が変われば、移動したとみなされるようです。※人事異動は省く

※組織変更もグレーですね(状況により判断となります)

 

派遣で3年後、判断する時のポイント!

3年たったら、かならずしも「無期雇用派遣」にならないとダメ!ということではないのが、理解できたかと思います。

あくまでも労働者としての権利であり、自由な選択肢が1つ増えるだけです。

また「今の会社で無期雇用派遣で継続したい」など思っても、受け入れ態勢が出来ていないとできないと希望通りには進まないこともあります

はかせ

考えるポイントはここじゃ!

パターン別で、選べる選択肢が異なるから、参考にしてみてくれ

 

■今の就業先に継続して居たいか?

その上で・・

★別の仕事内容でもよい

・部署を変更して「無期雇用派遣」が可能(※ただし、別部署に空きあれば)

・部署を変更して「派遣」で継続(※ただし、別部署に空きあれば)

 

★今の就業先でかつ同じような仕事を続けたい(大きく変更したくない)

・そのまま「無期雇用派遣」が可能(※ただし就業先での受け入れ体制がOKであれば)

・「派遣会社」を変更して「派遣」で継続(※ただし就業先での受け入れ体制がOKであれば)

 

■仕事内容が同じがよい

★就業先はどこでもよい

・「派遣会社」を変更して「派遣」で継続(※ただし就業先での受け入れ体制がOKであれば)

・今の派遣会社で「無期雇用派遣」に進み「就業先を変更」

・今の派遣会社で「派遣」のまま「就業先を変更」 ※再度3年ルールが発生します

 

ヒント君

「今の仕事内容」への気持ちや、「就業先」での雰囲気など、まずは無期雇用に変換するかどうかのポイントにしてみてね!

 

もし「無期雇用派遣」に変更したいと決まったなら・・

個人的にはラストここを比較してみて!

【年収】

「無期雇用派遣」は月給制ですが、残業代の支給の仕方によって派遣の方が年収が多い場合もありますよ!

※月給制の場合、残業代●時間分含むとなっていたりする場合があります。

例>残業代20時間分含む 等の場合は、

21時間残業すると1時間分の残業が付与されます(20時間分はその分として月給に上乗せして含まれているという考え方です)

ポイントとしては・・
ココ大事!

「派遣」で働いていた時の年収と残業時間を確認しておき、「派遣で働いた場合の年収」と

「無期雇用派遣」として働く場合に、契約前に提示される条件の月額で年収換算+想定残業時間からの残業代の有無から年収を出して、比較してみることがおすすめです。

もちろん「都度都度の契約更新がないなんて素敵!」って考えている方には迷わず無期雇用派遣を選ぶのもありですよ!

 

「派遣」を副業としている場合は?(タイプ別判断)

もうひとつの判断軸として、「派遣」1本をメインの仕事として就業している方と、「派遣」を副業としてメインとは別に働いている方で、みる事ができます。

「派遣」をメインの仕事にしている方

無期雇用派遣の選択はおすすめ。
メインの方は、おそらく週5日勤務の方が多いかと思います。その中、時給制から月給制になるのはメリットが大きいですよね。今まで、楽しいはずのGW、夏季休暇、年末年始等の長期休暇の時に、通常より減っていた給与が安定するわけですから。

ただ、上記に記載したように、賞与がない場合もある点と、今の残業時間から、想定される「年収」を比較してから選んでくださいね。

 

「派遣」を副業にしている方

おすすめではない。
通常の「登録型派遣」の方がメリットがある場合が多いです。

まず、なんといっても時間の拘束が大きくなる点でしょう。登録型派遣の場合は、最短週3日から働けて、かつアルバイトより高時給な点を考えると副業として働きやすい環境だったと思います。

 

もう1タイプ!「無期雇用派遣」におすすめな方

心を鬼にして言いますが、年齢が高めの方(特に40歳以上)の方には、おすすめです。

「無期雇用派遣」を選択しない場合、他への就業が必要になります。派遣はエージェントによる紹介制ですから、面接というほど大げさなものはありませんが、就業先との顔合わせの最終確認があります。この際、他の方も検討していた場合、競争となります。スキルを重視するののば派遣のよいところですが、同じようなスペックであれば、年齢は若い方が選ばれるのが一般的です。

次、確実に受かる確証がない場合は、「無期雇用派遣」への選択をおすすめします。

 

まとめ

「無期雇用派遣」は派遣で3年働いた後に選べる選択肢のひとつです。
選ぶ時の判断ポイント、タイプ別で向き、不向きがある点等、メリット、デメリットがあることが、わかったかと思います。

このページで、メリット・デメリットを確認して、自分にあった働き方を選ぶヒントになれば幸いです。

この記事を書いたライター

みやりーん

こんにちは。「みやりーん」と、申します!

転職・派遣の人材業界で、渉外・マーケティング・制作等、マルチに戦うWEBディレクター。アルバイト、派遣、契約社員、正社員をひととおり経験。7人材業界の裏側や仕組み、おすすめの派遣会社、働き方について発信しています。

 

特に、派遣については「常駐先側の気持ち」「派遣元のおもわく」「求職者の選び方のポイント」「サイトの仕組み」など詳しくご紹介!

 

働き方改革の一環で、副業として掛け持ちができるお仕事や、転職の際の注意点などもまとめていますよ!

 

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