パソナの淡路島移転って、誰が、どのくらい得するの?

記事更新日: 2020/09/06

ライター: みやりーん

こんにんちはー!派遣ソムリエのみやりーんです。
先日、大手派遣会社でもある「パソナ」が本社機能を淡路島へ移すというニュースがありましたね。社内で動物を飼育していることでも有名な「パソナ」。

公式発表の内容では、前向きで攻めている感が出ているのですが、色々調べていくと、背に腹は替えられない事情もあるようです。

そこで、結局、誰が、どのくらいメリット・デメリットを受けるのか検証してみました!

 

この記事でわかること
  • パソナの現状(コロナの影響は?)
  • パソナが移転する表の理由と裏の理由
  • 「企業」「社員」「登録している派遣」「地元民」のメリット・デメリット
  • まとめ
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この記事を書いた人
みやりーん

はじめまして! 現在、中途・派遣それぞれの転職領域にて就業中。渉外・マーケ・制作と戦うWEBディレクター!
アルバイト・派遣、契約社員、正社員の雇用形態を経験。採用側、サイト運営側、利用者側それぞれの経験から、人材業界の採用やサイトの仕組みの裏側などを話しちゃいます!

先に結論をいいますと・・

結論!
  • 企業:メリット多め、デメリットあり
  • 社員:メリット、デメリット半々(今後の対応による)
  • 登録している派遣の方:ややメリット増
  • 地元住民:メリット、デメリット半々

 

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トータルで考えると、ややメリットの方が多い感じですね。
以下、詳細を記載していますが、すぐ知りたいことろは、目次からも飛べるのでご利用ください!

 

株式会社パソナグループの写真。総合人材企業です。人材サービス、地方創生、福利厚生、教育・研修など多岐にわたる会社です。今回、淡路島への移転の話があったので、企業紹介としての写真。

公式発表とパソナについて

まずは今回公式発表された内容と、株式会社パソナってどんな特徴のある会社かを確認しましょう!

今回内容
  • 本社機能の一部(人事や経営機能)を異動(約1200人ほど)
  • リスクの分散目的
  • コロナによるリモートワークの普及により、日本全国どこでも仕事できることを「実証したい」という思い
  • 2020.9月~2024.5月までに完了予定
  • 淡路島に社宅を600戸程用意(予定)

 

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個人的に気になったのは、
日本全国どこでも仕事できることを「実証したい」と前向き・強気な発言をしているところですね!

 

ディスリではありませんが、それだけではないようです。

 

(株)パソナってどんな会社?
  • 創業は1976年からある総合人材会社(株式会社パソナとしては、1988年)
  • 人材派遣を主軸として、コンサルティングや地域創生、教育などを行う
  • 海外にも多数拠点があり
  • 大手町のビルで地下3階~地上13階まで賃貸オフィスで入居
  • 「地方創生」も事業としておこなっている

 

【日本国内では】
・特に強い分野(数は少ない):
 医療系・英文事務・金融系・語学系
案件数の多い分野:
 コールセンター系・営業系・販売系

 

【その他】
・社内で、動物を飼育している
・今の本社ビルの契約は2022年2月頃まで賃貸契約がある(そのあとは再開発のため転居必須)
・2008年に淡路島へ進出し、人気キャラクターのコラボレストランや、美術館、体験型アニメパーク等を作り、投資、運営している
 →移転後は、関連施設の一部をオフィスとして活用予定

 

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ここでの注目は、
「主軸が人材派遣であること」と「案件数の多い分野の業種」です。

 

コロナ禍による影響

人材派遣業での業績悪化

多くの企業と同じように、パソナも影響を受け、昨年より収益が落ちています。約17億円減(2020.5月)。

景気が悪くなり、どうしても人件費の削減をする場合は、「アルバイト」「パート」「派遣社員」「契約社員」「正社員」の順で、契約終了となることが多いのが現状です。

※しかし、コロナにより派遣求人を増やしている場合もあり、結局は、コロナによる影響は、「派遣」か「正社員」というよりも「職種や業種」の影響が大きかったんです。

チェックポイントの画像!ここが大事ですよ!
パソナが多く派遣していたのは
職種や業種

専門性が強く企業からの信頼度が厚いのは「医療系・英文事務・金融系・語学系」ですが、多くの派遣を行っていたのは「コールセンター系・営業系・販売系」。
つまり、コロナ影響を受けやすい職種を多く含んでいました。

 

海外拠点が多い

世界規模で、経済の悪化による、人材斡旋依頼の現象があった可能性もあります。受ける影響範囲が大きい可能性が高いですね。

 

淡路島の施設運営の収入減

コロナにより、環境客が減り、こちらも収益が減っています。結果的にグループ全体の収益減となる状況です。

 

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上記を踏まえて、現状を考えると・・

 

企業にとってのメリット
(目的含む)

企業の一般イメージの画像

オフィスコスト削減が一番の目的!

色々理由を言っていましたが、
今回に移転に当たっての大きな理由は、
コロナ禍による収益が減ったことが一番の要因でしょう。

コロナ禍の中、リモートワーク等、新しいライスタイルが出てきた中で、オフィスを維持する必要性も薄くなり、削減の候補となった可能性があります。

東京の一等地にある、ビルの契約期間があと2年以上ある中で、高い賃貸料を2年払うよりは、地方の東京よりは安めの賃料の方が、確実にコスト減です。

あと数年似たような状況が続く中では、収益を上げるよりも、まず確実にコスト削減する方が、即効性があります。元々、2年後には、一帯の再開発で引っ越しが確定していたわけですから「いいきっかけ」との見方もできますね。

 

人件費の削減

「アルバイト」「派遣」「契約社員」よりも正社員の削減はなかなか厳しいものがあります。

そんな中、今回の移転をきっかけに、リモートワークを選択する人や、転職者が出てくる可能性もあります。人件費削減する狙いもあるのかもしれません。

 

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でもこれって、もし全員が「異動」か「リモートワーク」を選んで、社員数が変わらなければ人件費も変わらないのでは?

って思いませんか?

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その通りなんですが、

この先、リモートワークが確立していけば、多少給与体系も変わってくる可能性があります。

 

リモートワーク用の給与体系ができる!?

(これは推測で数年先かと思いますが・・)
業界内ではこんな噂もチラホラ・・。

「リモートワーク用」の給与体系ができる(かも)

大きく給与が変わるわけではないのですが、主に「交通費」など全額付与している部分を削減し、代わりに通信費・光熱費等の名目の費用が付与される等。

今後「リモートワーク」が、「新しい働き方のひとつ」として確立された場合は、それに見あった給与体系になる可能性があります。

 

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みやりーん

交通費って企業にとっては、大きなコスト削減になるんです。

1~2人ならまだしも、実際は数千人分の交通費をナシにするだけで、年間かなりのコスト削減につながります。

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みやりーん

つまり、
給与の中のコスト削減の対象候補になる可能性もありますね。

 

リスクの分散

東京一極集中をなくすためが、今回の一番の目的と発表しており、確かにそうなのですが、移転先が淡路島である点で表裏一体です。

 

地域創生

これは目的というより、移転した結果、得られるものです。パソナの事業のひとつでもある、「地域創生」に繋がるプロジェクトとしてもマッチしています。

淡路島の人口は約13万人ほど、そこに、約1200人近くの人が流入することで、地域活性にもつながります。社宅などの建設も決まっているため、雇用も産み出す可能性もありますね。

また、客足が遠のいている、運営している施設なども集客UP(自社の収益UP)にもつながる可能性もあり。

 

企業にとってのデメリット

企業の求める人数の異動になるかどうか?

約1200人ほどの異動を企業側は望んいますが、すんなり行くかは、これからの企業から社員へ保障や対応の内容によるかと。

 

異動する人が全員淡路島に住むとは限らない

淡路島は、大阪から約90分、神戸から約40分くらいでいけます。となると、40分くらいの通勤距離ならば、「神戸市」に住んだ方が便利となる可能性もあり。地域創生の一つが企業の思い描く通りになるとは限らないかと。

 

リスクの分散

公式発表でもこちらを上げてましたね。東京1局集中を避けるのは、良いことだと思います。メリットでもあるのですが、しかし淡路島の場合、今後南海トラフ大地震の可能性も濃くなってきているので、かえって危険かも。

※むしろ、日本どこにいても安全な場所はないのかもしれません。

 

まとめると・・

企業のメリット
  • オフィスコスト削減
  • 人件費の削減
  • すでにある自社施設も使える(コスト削減)
  • 地域創生
  • 東京一極集中の分散

 

企業のデメリット
  • 予定通りの異動人数になるかまだ不明
  • 異動者のすべてが淡路島に住むとはかぎらない
  • 南海トラフ大地震の可能性

 

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みやりーん

個人的には、

日本全国どこでも仕事できることを「実証したい」と強調してるなら、淡路島でなくて、全国でリモートワーク中心でもよいのかなと感じます。

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みやりーん

ただ、パソナにとってのメリットを総合判断したとき、「淡路島」は一石二鳥の場所だったようにも見えますね。コスト削減としては、合理的な判断かと。

 

社員のメリット・デメリット

社員の一般的なイメージ写真。

1つの転機であることには間違いないのですが、最終的に
「働き方を選べる業務か」
「企業がどこまで保証するか」
「どんな対応をするのか」
によるところなので、実際今後の動きによるところだな、と感じます。

なので、メリットデメリットは半々かと。

メリット

  • 自由な働き方が選べる

 

デメリット

  • 業務内容によっては、リモートワークは選べず異動になる人も
  • 給与形態が変わる可能性もある

 

派遣登録している人のメリット・デメリット

登録者や面談などの一般的なイメージ写真。

デメリットは特になく、メリットが多少増える可能性があります。

 

仕事が増える

本社(の一部)が「地元にある」ということは、実は結構大きなメリットなんです。地方に本社があって、活躍している企業はたくさんありますが、やはり地元での案件数が多くなる傾向があります。

パソナも本社(の一部)が淡路島(兵庫県)にあるから、ということで、関西や西側の案件数が増える可能性があります。

 

地方にいても首都圏の仕事ができる可能性が増える

移転というよりは、コロナ禍の影響で、リモートワークを前提にした仕事として、首都圏の仕事を地方の在宅でできる案件が増えてきています。

パソナの場合、元々が東京を拠点としている分、多くの首都圏の案件を持っており、移転したからといって取り扱いの数が激しく減ることはないと考えられます。

首都圏にいる登録者も、地方にいる登録者にとっても、安定したお仕事探しができます。

地元のメリット・デメリット

地元、淡路島と明石海峡の写真。

メリット

●人が増えて活性化する

単純に人が増えて地元の経済が活気づく可能性と、社宅や関連施設の建設で一時的な雇用を生み出す可能性あり。

 

デメリット

●地元の雇用が生まれない

東京から、社員を引きつれて異動なわけですから、0ではないにしても継続的な大きな雇用は生まれない。

 

まとめ

企業としては

企業のメリット
  • オフィスコスト削減
  • 人件費の削減
  • すでにある自社施設も使える(コスト削減)
  • 地域創生
  • 東京一極集中の分散
企業のデメリット
  • 予定通りの異動人数になるかまだ不明
  • 異動者のすべてが淡路島に住むとはかぎらない
  • 南海トラフ大地震の可能性

 

社員としては

社員のメリット
  • 自由な働き方が選べる
企業のデメリット
  • 業務内容によっては、リモートワークは選べず異動になる人も
  • 給与形態が変わる可能性もある

 

登録者としては

登録者のメリット
  • (関西圏等)案件数が増える
  • 首都圏の仕事数は減らない
登録者のデメリット
  • 特になし

 

地元民としては

地元民のメリット
  • 人が増えて活性化する
企業のデメリット
  • 地元の雇用が期待できない

 

よって・・結論としては

結論
  • 企業:メリット多め、デメリットあり
  • 社員:メリット、デメリット半々(今後の対応による)
  • 登録している派遣の方:ややメリット増
  • 地元住民:メリット、デメリット半々

 

検証していくと、
パソナに派遣登録して働く人にとっては、大きなデメリットはなく、ややメリットが多い内容かと思うので、登録などは続けてよいと思います。

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みやりーん

派遣で仕事を選ぶ場合、

できること、やりたいことが一番ですが、

もう一つポイントをつけるなら、

景気に左右されない「業種」の派遣を選ぶことをオススメします!

よりよい選択の参考になれば幸いです。

 

この記事を書いたライター

みやりーん

こんにちは。「みやりーん」と、申します!

転職・派遣の人材業界で、渉外・マーケティング・制作等、マルチに戦うWEBディレクター。アルバイト、派遣、契約社員、正社員をひととおり経験。7人材業界の裏側や仕組み、おすすめの派遣会社、働き方について発信しています。

 

特に、派遣については「常駐先側の気持ち」「派遣元のおもわく」「求職者の選び方のポイント」「サイトの仕組み」など詳しくご紹介!

 

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