【用語解説】ジョブ型雇用とは?メリット・デメリットや特徴を解説

記事更新日: 2020/08/19

ライター: しゅんてぃー

この記事を書いた人
しゅんてぃー
26歳パラレルワーカー。
新卒で就職するも、週5日半日以上会社のために働くことに違和感を感じ退職。
退職後半年間ほど物販で生計を立てた経験あり。
現在は令和時代の生き方をテーマにライター、イベント運営等で活動中。
この記事の結論
  • コロナの影響で今までの働き方が変わりつつある今、ジョブ型雇用は世相にマッチした雇用形態である
  • ジョブ型雇用はスキル重視の人にはおすすめできる働き方

しゅんてぃー

こんなニュースをちらほら見かけます!

 

この記事ではそんな「ジョブ型雇用」について基礎から詳しく解説します。

ジョブ型雇用とは

ジョブ型雇用とは、会社が求める特定の職務(ジョブ)に対してそれを遂行できる人材を募集・採用する雇用形式のことです。

「ジョブ型」では即戦力かつ専門スキルを重視して採用が行われます。

一方、日本の多くの企業で行われている総合職採用は「メンバーシップ型」と呼ばれています。

「メンバーシップ型」では職務内容や勤務地等を限定せず、スキルよりもその会社に合うかどうかで雇用されます。

「メンバーシップ型」は会社に人を合わせるのに対し、「ジョブ型」は仕事に人を合わせるという考え方の雇用制度と言えます。

ジョブ型雇用が注目されている背景

2020年のはじめに経団連は「日本型の雇用」の見直しを提言しました。

そこでは

  • デジタル化が進み経済がグローバル化しているなか、終身雇用や年功序列型の給与制度は時代にあっていない
  • ジョブ型雇用をうまく組み合わせることが必要

ということが発信されました。

しゅんてぃー

動画で見たい方は下記をご覧ください!

しゅんてぃー

なぜジョブ型雇用の導入が提言されたのかその理由を深堀りします

その理由は大きく2つあります。

ジョブ型雇用導入の背景
  • 人手不足への対応
  • 多様化する働き方への対応

人手不足への対応

多くの企業は人手不足に悩まされています。

それは単純に日本の人口が減っていくことからも明らかです。

日本の人口は2004年の1億2784万人をピークに、2050年には9515万人まで減少すると言われています。

生産年齢人口(※)は2005年が8442万人(人口全体の66.1%)に対し、2050年には4930万人(51.8%)になると予想されています。

また、厚生労働省によると平成23年度以降、有効求人倍率(※)は1倍を超え続けています。

求職者1人あたりの求人が1件を超えている、すなわち売り手市場が続いています。

コロナの影響で徐々に下がってきているものの2020年6月の有効求人倍率も1.11倍となお1倍を超えています。

※生産年齢人口:15〜64歳の人口

※有効求人倍率:求職者1人あたり何件の求人があるのかの指標。一般に1を超えていれば売り手市場と言える

多様化する働き方への対応

労働力不足によって企業は多様な働き方に対応する必要に迫られています。

今までのように、社員を一律の環境・条件で雇用するのではなく、個々の社員のニーズに合った働き方ができるようにしなければ企業は人材を確保することが難しくなってきました。

コロナ以前でも、フレックスタイム制や長時間労働の是正、時短勤務やテレワークなどが導入されていた企業もありました。

しゅんてぃー

テレワークはコロナの影響で一気に社会的知名度が上がりましたね!

コロナの流行によってジョブ型雇用のニーズがさらに高まった

新型コロナウイルスが流行した影響で、皆さんもご存知の通り、テレワーク・時間差出勤などが普及し始めています。

今までの日本の働き方は「メンバーシップ型」で、社員が出社して決まった労働時間分働いて給与をもらうと言った方法が主流でした。

企業はこれまでのようにみんな同じ労働条件で雇用することが難しくなっています。

対して、ジョブ型雇用は職務や評価の基準が明確に設定されてから採用を行うので、時間や場所にとらわれない働き方と相性がいいのです。

ジョブ型雇用を取り入れることを明言している主な企業

  • 日立製作所
  • 富士通
  • 資生堂
  • KDDI

ジョブ型雇用の特徴

採用時に重視されること

ジョブ型雇用の採用時に重視されることは仕事内容に必要なスキルがあるかという点です。

実際の仕事内容に対して人材を募集するのがジョブ型雇用の大きな特徴です。

一方、メンバーシップ型は採用時にその会社に合う人材かどうかが大きな判断基準となります。

総合職として働き、昇給や退職金制度で会社に縛り付けることで会社のために長く働く前提の制度です。

会社としてはある程度の人材を長期間確保できるメリットはあるものの、専門的な人材は育ちにくいと言ったデメリットもあります。

仕事内容

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用では仕事内容の特徴が全く違います。

「ジョブ型」の職務は明確に定められているため、内容は限定的で専門的なスキルが求められます。

一方「メンバーシップ型」は明確な業務内容や職務の範囲は定められていません。

転勤・異動は少ない

「ジョブ型」で採用された場合、業務内容は限定されて専門性の高い業務に従事することになります。

そのため、総合職とは違い異動や転勤などは少なくなります。

給与体系は成果型

「ジョブ型」の給与体系は指定された業務が遂行されているかどうかで決められます。

固定給とは違い、成果で給料が決まるので客観的な評価基準と言えます

人材の入れ替えは多い

「ジョブ型」の場合、業務内容が明確に決められているため、職責を果たせなかったときはその責任は自分にふりかかります。

ジョブ型雇用が主流の欧米では責任を果たせなかった場合には容赦なく解雇されることもあるようです。

日本では現状そのような形で解雇することは難しいとされていますが、希望退職者という形で実質の解雇をされる場合はあるようです。

ジョブ型雇用のメリット

働く人にとってのメリット

ジョブ型雇用のメリット
  • 得意分野で仕事ができる
  • 専門スキルを磨ける
  • 働き次第で給与を上げやすい

ジョブ型雇用で働く人にとって最大のメリットはやりたい仕事、得意・専門分野に集中できることです。

総合職で入社した場合、自分がやりたい仕事につけるかどうかはわかりません。

仮に希望する部署に行けたとしても会社の都合で異動になることはザラにあります。

スキルに応じた給与になるので、スキルさえあれば年齢や役職にとらわれずに給与を上げることも可能です。

専門性を高めればより待遇のいい会社に転職することもできるのでキャリアアップを考えている人にとっては相性のいい雇用形態になります。

しゅんてぃー

終身雇用や年功序列型の給与制度が崩れつつあるので個人のスキルはとても重要です!

企業側のメリット

ジョブ型雇用のメリット
  • 専門分野に強い人材を確保しやすい

業務内容を限定できるため企業側は専門的な即戦力の人材を採用することができます。

ただし年功序列の給与体系を採用している場合、他の企業より給与面で見劣りすると転職されやすくなってしまうので企業側は柔軟に対応する必要があります。

ジョブ型雇用のデメリット

働く人にとってのデメリット

ジョブ型雇用のデメリット
  • 仕事がなくなることがある
  • サボっていると給与が出ない

ジョブ型雇用のデメリットとして会社都合などでその職務が必要なくなる場合があります。

ジョブ型雇用はその名の通り、仕事単位での契約となるので、仕事がなくなった場合に退職せざるを得なくなってしまいます。

また大きな声では言えませんが、固定給の場合、業務時間中に要領よくサボったほうがお得です。

しかしジョブ型雇用の場合やるべき仕事が明確に定められており、ちゃんとこなしているかどうかで給与が判断されるので、ちゃんと仕事をしなくてはなりません。

企業側のデメリット

ジョブ型雇用のデメリット
  • 転職されやすい
  • 会社都合の配置換えが難しい

企業側のデメリットとしてはジョブ型雇用の人材はスキルが高まるとより好条件の企業へ転職してしまいやすいという点があります。

年功序列の給与体系や退職金等で「縛り付けておく」ことが難しいため、スキルに応じた人件費を支払う必要があり会社にとってのコストが大きくなってしまいます。

また、会社都合で人事異動させることが難しくなります。

総合職採用であれば転勤とジョブローテーションが基本になるので会社の以降を組織に反映させやすいです。

しかし、ジョブ型雇用では勤務地や業務内容を定めてからの採用になるので総合職のようにカンタンに配置換えを行えません。

 

 

 

 

 

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