アウトソーシングとは外部を意味する「アウト」と資源利用を意味する「ソーシング」をかけ合わせた和製英語です。
アウトソーシングには委託側と受託側があります。
本来は受託側をアウトソーシー(outsourcee)と呼び、委託下側をアウトソーサー(outsourcer)とと呼ぶべきですが、一般的に受託側をアウトソーサーと呼ぶことが広がっているようです。
そのため、アウトソーサーという言葉が出てきたときには委託側か受託側かを慎重に判断する必要があります。
誤解を生みかねないので、あまり使わないほうが良いかもしれません。
企業がその市場で勝ち残るためには、コア・コンピタンスを持たなくてはなりません。
コア・コンピタンスとは、競合他社に対する圧倒的な強みとなる事業のことです。
コア・コンピタンスを持つには、コアとなる事業に人的資源を集中して投下しなくてはなりません。
そのため、企業はコアとなる業務や技術の人材に特化して育成する必要があります。
中心業務以外の仕事はアウトソーシングをして、よりコア事業に強い人材育成に集中する事が重要になります。
選択と集中という言葉があるように、限られた人材と時間をどう使うのかがポイントです。
変化の激しい現代の流れに対応するには中心業務の競争力をいかに高めるかを考えなくてはなりません。
アウトソースの例:株式会社キーエンス
年収ランキングでよく見る測量機器メーカーのキーエンスはアウトソーシングを取り入れている企業です。
具体的には、自社で工場を持たずにアウトソーシングをし、自社では商品企画とコンサルティング営業に特化しています。
アウトソーシングをしてコア・コンピタンスにリソースを集中させて高収益モデルを確立しています。
しゅんてぃー
キーエンスの2020年の平均年収は驚異の1839万円です!
アウトソーシングの委託先はその業務について専門性が高い業務ノウハウと遂行能力を持っています。
その分野を専門に業務をしているので、ノウハウを委託する企業でアップデートする必要はありません。
また、自社で新たにその業務の対応する部署を作ることを考えると、アウトソーシングして専門業者に任せたほうが品質を確保することができ、迅速に対応してくれます。
アウトソーシングはコストダウンにつながるような使い方もできます。
社内の業務とそれを外注した場合のコストを考えて、委託先に任せたほうが金銭的または時間的に効率がいい場合はアウトソーシングしたほうがコスト面で有利になるといえるでしょう。
自社の社員の給与は固定費に当たりますが、業務をアウトソーシングすることでそれを外注費として扱うことができます。
外注費は変動費として扱うことができます。
つまり、固定費は売上に関わらずかかってしまいますが、変動費の場合は売上の増減に応じて費用が変動するので、赤字リスクを減らすことができます。
また、部品の製造などをアウトソーシングする場合、工場や製造機器などの費用を自社で負担しなくて良いので、設備費用を節約することができます。
アウトソーシングをすることで外部に機密情報や個人情報などを共有する必要が出てくる場合があります。
そうなるとどうしても自社内だけで管理するよりも情報漏洩のリスクは高まってしまいます。
自社内では強固なセキュリティシステムを導入していたとしても、委託先のセキュリティは脆弱でそこを狙われてしまうとどうしようもありません。
委託先のミスで情報流出があっても責任は自社にあるので、アウトソーシングをするときには情報漏洩のリスクを考慮して委託先を選ぶ必要があります。
アウトソーシングは、メイン事業以外の事業を外部に委託するため、社内にその事業のノウハウや技術が蓄積されません。
外部に委託しても良い事業なのでアウトソーシングをするわけですが、委託先の企業の倒産や事業撤退に備えて最低限の情報収集はしておくべきです。
いずれ自社で業務をすることを考えている事業の場合は、その業務のノウハウや人材が育っていかないので、アウトソーシングをするかしないかしっかり見極める必要があるでしょう。
自社の業務を外部に委託することによって、目が届きづらくなります。
つまり、ガバナンスが弱体化してしまいます。
ガバナンスとは、ざっくりいうと企業の業務管理体制のことです。
アウトソーシングの導入によってその業務がどのようなプロセスで進められているかを把握できなくなってしまうのです。
もしクレーム等が発生した場合、その過程を確認するのが手間になって対応に時間がかかってしまうこともあるでしょう。